製材所が倒産して10年経った頃、「木もちe-デッキ」の営業に行った材木屋さんで、売られている木材の値段にビックリした。私がやっていた頃の半値以下。何かの間違いか、傷物なのだろうと思った。しかし、皆さん「今はこんなものだよ。」と当たり前の顔をしている。

 そこに、長さ10m、末口56cmの真っ直ぐな松丸太が並んでいた。その値段を聞いてまたビックリ。想像した値段の1/3位だった。そんな値段なのに誰も見向きもしない。その時、何を思ったのか私は、「買います。」と叫んでいた。

 なぜ、買うなんていったのか。今考えても、材木屋の血としか言いようが無い。「こんな凄い木が、こんな値段なんて・・・、何かおかしい。俺が買う。」私のどこかにあるスイッチが押されてしまったようだ。

 それからというもの、材木市場に行っては、営業そっちのけで材木のセリに参加し、いろんな材を買い集め始めていた。妻や弟の止める声には一切耳を貸さず、妻の個人資産を会社に入れてまで、買えるだけ買った。

 こんな値段で売られるなんて、山や製材所がどれだけ苦しんでいるかを分かっているのかといつも思った。叩いて、叩いて、徹底的に安く買い、利益を上げるという考え方に、私は抵抗してやろうと思う。

 大本である林業や製材業が続けられる値段というものがある。お祖父さんの代の無償の汗によって育てられた木を私達が食いつぶし、後に何も残さないで良い訳がない。どこも苦しいのは分かるが、根っこを枯らしてはいけないのだ。

 もちろん、本当は木材産業全体で考えなければいけないことで、改革すべき点、見直すべき点がたくさんある。業界全体で話し合い、政策に反映させるという途方もない手間と苦労を伴うだろう。しかし、皆がそこに手をつけず、自社の利益だけを考え買い叩くだけでは、日本の木材産業はおしまいだ。

 まず私は、私に出来ることとして、できるだけ良い木を少しでも高く買い(相場を大きく外れることは出来ませんが)、できるだけ安く販売します。このHPで私は、板の値段のつけ方、高い安いの判断方法なども公開します。その判断方法を参考にして、いろんな一枚板を見てください。弊社の一枚板は、かなり安くなっているはずです。しかも、山元に少しでも多く返せるように、できる限り競り上げて材を買ってあります。

 私は、良い木を取り扱いたいから(残念ながら良いとはいえない木はあります。)、とびっきりの木はそんなに無いけれど、できるだけ質の高い木を扱っています。

 現状は、弊社の一枚板販売は商いになっていません。蜜ロウワックス他の商いがあり、その利益を食いつぶしている。お前のところは余裕があるからできるのだと言われそうだが、決してそうではない。良い材を作っていたはずなのに潰してしまった元製材の、木材業界への再挑戦なのです。山を活かす産業を守るためのささやかな挑戦です。

 どのようなご意見・ご批判もお受けします。どしどしお寄せ下さい。そして私は、この取り組みを意地でも続け、必ず成功させます。

 どうぞ、よろしくお願いいたします。

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